有限会社 テクノプランツ

"ねじ"


これほど単純で、これほど奥の深いものはありません


数ミリの小さなビスから径が何十センチもあるねじもあります。また、ねじの山形状にも非常に多くのヴァリエーションがあります。雄ねじと雌ねじの組み合わせで部品と部品を締め付け、複数のものを一体化するねじ作用を利用した構造物は我々の身近に数知れずあります。何千年も人の暮らしと共に、これほど身近にありながら、未だ問題が多く存在し、ねじの問題で故障や事故が発生しているのが現実です。


"ねじ"と言えば、まず締め付けたらそのまま固定し緩まないということが当然のねじの最も大切な機能と考えられてきました。この基本機能の"緩まない"をより確実にする為の工夫が今までにも数多く知られていますし、現在でも尚この究極の問題を解決するべく新しい形状や工夫されたファスナー(ボルト、ナット、ねじ)が考案されつづけています。知られている緩み止めには、通常に知られている、菊座金、スプリングワシャー、ダブルナット等の従来の方法から、特殊座金や2種のナットを軸方向に重ね合わせたり、ねじ部にスプリング板を挟んだり、敢えて雄ねじと雌ねじを強く干渉させる、等々の新しいアイディアが続々とこの歴史的問題に解決を与えようとしています。これらの方法では、ボルトやナットの回転摩擦座面のもつ矛盾した問題点の解決を前提とする方法ではありません。つまり、トルク法でねじを締め付ける場合に限定し、この矛盾を考察すると、より小さい回転入力(トルク)でより大きな締め付け力(軸力)を得る為には回転摩擦座面は出来るだけ摩擦係数が小さいきれいな仕上げ面が理想ですが、一方締め付けた後、出来るだけ緩まない為には座面は出来るだけ粗い方が摩擦係数が高くなり緩みにくいという、不可避のジレンマ(矛盾)があります。ボルトを締める為に加える全トルク力の内、この座面の回転摩擦によりその60-70%もの力を消費し、実際のボルト軸力を発生するのには直接役立っていません。この事実こそボルト、ナットの潜在的問題を含む部分だと考えます。


次に座面の問題と別に、ねじのピッチまたはリード(1回転で軸方向に進む距離)に注目しましょう。


現在のメートルねじの標準的な並目ねじピッチM60以下ではねじ径の約10+%です。より大きなねじ径ではピッチ6mmを基準とし、ユーザが軸力を考慮し自由に決定することになります。いずれにしても、通常のボルト締め付けにおいて強度クラス最高の12.9級を例とってもボルト軸の伸び量は1mで約3mm(0.3%)です。一般的な殆どの締め付けでは0.1から0.2%です。ボルトに挟まれたフランジも同様に圧縮により歪ますので、簡単の為にボルトと同量歪むとしても、ボルトまたはナットが軸方向に移動するのは1mで通常2から4mmで最大6mm程度です。これはねじ径には関係なくすべてのサイズのボルトに適応しますが、ボルトが長く挟むフランジ厚が大きい場合は締め付けによりねじの進む量(ボルトまたはナットの締め付け回転量)が大きいので緩みにくくなります。しかし、ボルトねじ径に対しフランジ厚(クランプ厚)が小さい場合は締め付け回転量が小さく、僅かなボルトやナットの緩み角度で完全に軸力を失うことになります。


これを数値で表すと、例えはクランプ厚をボルトねじ径DのN倍、ねじピッチをねじ径の10%、フランジの圧縮歪みをボルト軸と同量として、伸び量が最強度クラス12.9級の材料で、約0.3%伸びる場合のナットの回転角度の概略計算は:


((N+1)*D*3*2/1000)*(360°/(0.1*D))=(21.6*(N+1))度


つまり、極端な場合、ボルトねじ径と挟むフランジ厚(クランプ厚)が同じである場合、N=1では最大強度の締め付けであってもボルトまたはナットの締め付け回転量は僅か43.2度、つまり12/100回転となります。一般的な4.6から8.8強度クラスの締め付けではこの半分の4/100から8/100回転です。これが意味するところはクランプ厚はボルト径に対し出来るだけ大きくしなければ非常に僅かの緩み回転でも完全に軸力がなくなることを意味します。このことにより、振動や変動外力が大きい場合はねじの、ピッチを細目にする対処がありますが、重荷重ではねじそのものの耐荷重性から限界があります。更には、細目ねじでねじの噛み合い数は増加しますが、実際の軸荷重はボルトやナットの座面に近接した側から数巻のねじ部に殆ど全荷重が集中することが知られていますので、むしろ重荷重では細目ねじはねじのせん断破壊の危険を考慮しなけれはなりません。


このように、座面摩擦の問題とねじのピッチの問題を考えましたが、その他に、ねじの高温状態で軸荷重を保持する場合、ねじの座面に近接部での応力集中により、高応力部のねじがクリープ現象で永久変形し、軸力を減衰し、更には取り外しのとき、ねじピッチのズレによりカジリが発生し、ボルトやナットの取り外しが困難になると言う2次的問題も発生します。ねじの噛み合い長さ全長にわたり均等に各ねじに荷重が(応力が)分散されていることが緩まないことの為にもまたねじの強度上も、メンテナンス上も望ましいことです。


以上の他にも、まだ考察をすれば種々の興味ある潜在的な問題をふくんでいます。その中で、最初に触れた、締め付けトルクの話に戻り、如何に小さいトルクで大きな軸力を得、また、緩みトルク比が高い構造が考えられないのか、という課題と、今ひとつ非常に重要なことは、このトルク値と軸力の関係が非常に曖昧で、トルク値が同一でも、座面状態や、締め付ける(座面が滑る)速度に大きく依存し軸力が変動することに注目しなければなりません。一般的にトルク値の信頼性は、よく潤滑され、均一な締め付け手法であっても軸力の誤差はプラスマイナス15%と言われています。繰り返しボルト、ナットを締め付け、緩め作業を行えば、フランジ座面も粗れ、トルク値の60-70%も消費する座面の影響はもはや先のプラスマイナス15%でも管理できない状態になるであろうことは想像に難くありません。


上述のようなねじの持つ特徴をその根本原理に立ち返り、論理的に推論、実証、検討し、この"緩みにくい"ということだけでなく、非常に重要なねじの機能である"締め付ける力"を如何により少ない力で、正確に、簡単で、且つ繰り返し精度の信頼性のあるねじ構造と施工方法が可能か研究し、そのメカニズムを明確にし、現実のボルトを締め付ける作業に革命的な改善を約束できる方法を標準化することができました。 "ねじ"そのものが元来持っている特長のみに基づき考案した特許構造のナットが軸力ナット(製品名 21ナット)です。


より大型のねじを締め付けるのには矢張り油圧を利用する必要があります。弊社は世界初の捩れ断面弾性力を利用した世界特許申請済みの金属シール(製品名 Picasso Seal ~400MPa, ~580℃)を開発し、また超高圧まで使用可能なエンジニアードプラスティックシール(製品名 Dedet & Dedex Seal ~240MPa, ~270℃)を開発できたことにより高温, 超超高圧で使用可能な小型軽量ボルティング機器(油圧ナット、油圧ボルトテンショナー、増圧式ナットやテンショナー)の安定供給が可能になりました。


21ナット構造をナット自身の構造の中に組み込まれた倍力装置と組み合わせた21倍力ナットや、この倍力を発生する一次側入力を油圧で行う構造、超高圧二次側(300Mpa以上)を超高硬度の鋼球を圧力媒体として作用させる上述の倍力構造、同様の構造でDedet Sealによる液圧倍力構造、そして、単純に上述の鋼球を直接加圧するSBN(製品名 スーパーボールナット)構造等を応用したファスナー・エレメントとしてのナットやボルト、そしてまた、倍力構造を利用したボルト・テンショナーを弊社の特許技術に基づいて製品標準化中です。


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